脱炭素社会実現に向けて

基本的な考え方

当社グループは、グループの環境方針に基づき、事業活動および組織活動において「脱炭素社会」、「資源循環型社会」、「自然共生社会」の実現に向けて取り組むこととしています。

脱炭素社会の実現にむけては、事業活動において、洋上風力発電など再生可能エネルギー事業や脱炭素まちづくりの支援サービス等を積極的に展開するとともに、組織活動においてもCO2排出量のモニタリングと削減に向けた取り組みを進めています。また、働き方改革やDX (デジタルトランスフォーメーション)、化石燃料の使用削減に繋がる新たな地質調査技術の開発などを通じても脱炭素に貢献しています。

事業活動を通じた脱炭素社会実現への貢献

洋上風力発電事業支援サービス

洋上風力発電は、2050年カーボンニュートラルの切り札ともいわれています。洋上風力発電では、海底に設置する風車の基礎設計や発電所のレイアウトデザインを検討するため、建設海域の海底地盤調査を行う必要があります。当社では、効率的な海底地盤調査のための独自技術の開発や調査用足場 (鋼製櫓) の増設などを通じて、急速に拡大する海底地盤調査のニーズに対応し、洋上風力発電の普及拡大に貢献しています。

脱炭素まちづくり支援サービス

北海道の三笠市では、地域資源である木質バイオマスと、石炭地下ガス化によるCO2フリー水素を活用して、新たな地域振興事業の創出と脱炭素まちづくりを目指す取り組みを進めています。

当社は、石炭地下ガス化の過程で発生するCO2を地下に貯留するため、保有するCCS技術を活かして本プロジェクトに貢献しています。

組織活動を通じた脱炭素社会実現への貢献

遠隔臨場

ダムの現場など、山間地での地質調査等では、発注者による現地の検査や、安全担当の社員による現場状況のパトロール等を行うたびに、自動車による長距離の往復が必要となります。当社では、ウェアラブルカメラやオンライン会議システムを活用して、これらの作業をリモートで行い、移動に伴うCO2の排出低減を進めています。

地中熱の導入

地中の温度は一年を通じてほぼ一定であり、夏は気温より低く、冬は気温より高いという特徴があります。この温度差を利用して効率的な冷暖房等を行うのが地中熱利用です。当社の東北事務所では、再生可能エネルギーである地中熱を利用した冷暖房システムを導入し、省エネおよびCO2排出低減に取組んでいます。

リモートワークの推進

当社では働き方改革および働きやすい職場環境づくりの一環として、職員のリモートワークを推奨しています。

リモートワークの定着により、オフィスでの電力消費量の低下や、通勤・移動にかかるCO2排出量の削減にも効果が期待されます。

CO2排出量の少ない効率的な調査技術の開発

洋上風力発電施設の建設に関わる海底地盤調査では、調査機材の運搬や足場の設置、現地調査のための交通など、多数の船舶が必要となります。船舶は、動力のため化石燃料を大量に消費します。当社では、大型の船舶を必要とせず、また短期間で効率的に広域の海底地盤を調査することが可能な新技術を開発し、現地調査に活用することで、業務でのCO2削減に取り組んでいます。

ゼロエミ・チャレンジ企業に選定

当社は、経済産業省「ゼロエミ・チャレンジ企業」に選定されています。

「ゼロエミ・チャレンジ企業」とは、脱炭素化社会の実現に向けて、イノベーションの取組に果敢に挑戦する企業として経済産業省が認定したもので、2020年のTCFDサミット2020の場で公表されました。

本件は、「革新的環境イノベーション戦略」に紐付く経済産業省の事業や、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) が実施している28のプロジェクトを対象にしており、当社は、「CCUS研究開発・実証関連事業」における「安全なCCS実施のためのCO2貯留技術の研究開発」と、「超臨界地熱発電技術研究開発」における「調査井掘削に資する革新的技術開発」の2つのプロジェクトでの貢献が評価されました。