CFOメッセージ

資本効率を高めてROE向上を図り、
企業価値と株主価値の最大化へ

企業価値/株主価値の向上に向け、「積極的な成長投資」と「積極的な株主還元」への資金配分を重点化

当社グループは現在、「サステナブル経営の積極推進」を基本方針とする中期経営計画のもと、積極的な成長戦略を推し進めております。この取り組みを財務面から下支えし、企業価値/株主価値の持続的な向上につなげていくことが、CFOである私のミッションであると考えております。

この視点に立ち、現中期経営計画における財務・資本戦略では、「積極的な成長投資」と「積極的な株主還元」を基本方針とするとともに、目標とする経営指標として「ROE」と「売上高営業利益率」を重視しております。

「積極的な成長投資」については、「イノベーション戦略」関連投資と「M&A投資」が着実に進展

「積極的な成長投資」については、継続的な設備投資 (年15億円程度) とは別に、現中期経営計画の3か年で、オーガニックな成長に向けた「イノベーション戦略」に関する投資として「DX投資10億円」と「研究開発投資45億円」の枠を設ける一方、また、インオーガニックな成長戦略としてM&Aを積極的に推し進めるという方針のもと「M&A投資枠120億円」を設定しております。

「イノベーション戦略」関連投資においては、2022年12月末 (中期経営計画2年目) の段階で、DX投資が約8億円、研究開発投資が約36億円と、ともに投資枠の8割程度の水準となり、計画を上回るペースで投資が進行しております。これにより、成果の前倒しにつなげていきたいと考えております。

次に、「M&A投資」については、現中期経営計画期間で、これまでに2つの買収を実現しております。一つは、シンガポールで建設工事・構造物に関わるモニタリングや地盤調査に強みを持つGeosmart社 (2022年10月買収) であり、そしてもう一つは、AI開発ベンチャー企業であるOX社 (2023年1月買収) です。前者については、既にシンガポールで保有している子会社2社 (FC社※1・FCI社※2) と合わせて、シンガポールの公共インフラ市場で調査・設計・施工管理・モニタリングのワンストップサービスを提供する体制が整いました。また、後者については、当社の各種ソリューションサービスにAIを活用してDXを推進し差別化できるよう、取り組みを開始しております。

なお、現中期経営計画では、こうした「積極的な成長投資」の展開と同時に、「構造改革」の取り組みの一つとして「事業ポートフォリオ改革」もを同時に推し進めております。2022年度においては、海底石油資源探査を手掛けるNCS Subsea社を脱石油資源・脱炭素の観点から売却 (2022年3月) いたしました。

※1FC社:Fong Consult Pte.Ltd.

※2FCI社:FC Inspection Pte.Ltd.

株主への利益還元については、高めの配当性向維持と機動的な自社株買いを展開

「積極的な株主還元」については、まず、利益還元のベースを上げる方策として、「連結配当性向」の目処レンジの見直し (従来の30~50%から、2022年より40~60%に変更) を行っております。2022年12月期の配当については、世界的なサプライチェーン問題の発生で海外グループ会社を中心に利益が計画を下回った中で、期初計画を変えずに2円増配としたことにより、配当性向は63.7%と、目処レンジ (40%~60%) を上回りました。

これに加えて、機動的な自社株買いによる「総還元性向」の向上にも注力しております。2021年と2022年の2年にわたり積極的に自社株買いを行った結果、「総還元性向」は、2021年97.4%、2022年183.0%と、極めて高い数値となっております (下グラフの通り)。

目標とする経営指標として「ROE」と「売上高営業利益率」を重視し、中期的な向上を図る

目標とする経営指標については、「ROE 5%」、「売上高営業利益率 8%」、「ROE 5%」(ともに連結) を、現中期経営計画最終年度目標 (2023年12月期) としております。

「売上高営業利益率」は、20222021年12月期には、7.1%と目標に近づきましたが、前述の通りサプライチェーン問題による利益率低下を主因に、「売上高営業利益率」が7.1% (2021年12月期) から20232022年12月期は4.3%に低下しました。、この結果、「ROE」も4.2% (2021年12月期) から2.7% (2022年12月期) に低下しました。今期は2023年12月期は、まずは中期経営計画目標達成を目指して、次の4つの取り組みに注力いたします。

  1. 国・自治体の案件については、通常の競争入札案件より利益率の高いプロポ-ザル方式の受注成約を伸ばす
  2. 地中可視化サービスやハザードマッピングセンサソリューションなど、利益率が高い新サービス・ソリューションの売上を伸ばす
  3. 売上規模が急拡大している洋上風力の価格競争力を更に伸ばし利益率向上を図る
  4. 利益率の高い企業のM&Aを進めると共に低採算事業の見直しを進める

今後、中期的には、株主資本コスト等を考慮すると6~7%程度のROEを安定的に確保する必要があると認識しております。次期中期経営計画においては、2023年3月に東証から出された「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請も踏まえて、適切な財務・非財務KPIの設定と達成に向けた取り組みについて、鋭意検討してまいります。

サステナビリティを柱とした経営を推し進め、企業価値の更なる向上へ

当社グループの事業はSDGs目標に直結しており、業務に真正面から取り組むことが即ち持続可能な社会の創造に貢献することができる立ち位置にあり、今後の成長加速へと繋げてまいります。当社の外国人持ち株比率は24% (2022年12月末) と比較的高く、こうした当社グループ独自の成長性が海外の投資家にも高く評価された結果と認識しております。

今後も、国内外の投資家をはじめステークホルダーの皆様の期待に応えられるよう、サステナビリティを経営の柱と位置づけ取り組んでまいります。

配当性向と総還元性向の推移

配当性向と総還元性向の推移

代表取締役副社長

平嶋 優一

本メッセージは、統合報告書に掲載したCFOメッセージを転載したものです。