対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境

新型コロナウイルス感染症に対する制限の緩和とそれに伴う経済活動の正常化が進む一方で、ウクライナ情勢の長期化とそれに伴うエネルギー価格や原材料価格の高騰など、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続いています。日本経済も、新型コロナウイルスの感染症に対する行動制限の緩和が進む一方で、物価高騰や円安の進行など引き続き不安定要素を抱える状況が続いています。

こうした中で当社グループを取り巻く市場環境を見ると、国内においては、社会インフラの老朽化や自然災害の増加に伴う国土強靭化事業の推進などにより、公共事業分野を中心に良好な市場の状況が継続することが想定されます。また、世界的な気候変動に対する関心が高まるなか、2050年カーボンニュートラルをめざした再生可能エネルギーの活用や、資源循環・生物多様性確保への取り組みが拡大しており、持続可能な社会の構築に向けた動きが一層進展していくことが予想されます。こうした点を踏まえ、当社グループの各事業の市場環境を概観すると以下のようになります。

インフラ・メンテナンス事業

国内においては、国土強靭化事業の推進・拡大や高度成長期に建設された各種社会インフラの老朽化を背景に、公共部門を中心としてインフラの点検・補修や更新に対する需要が今後も継続することが予想されます。また、海外においても先進国を中心に同様な需要増が期待されます。

防災・減災事業

近年は、台風や豪雨等による自然災害が毎年のように発生し、その被害も激甚化していることから、自然災害からの復旧や防災・減災対策、さらには災害の発生予測に関わる技術・サービスへの需要が高まっています。2023年6月には改正国土強靭化基本法が成立し、今後も災害に強いまちづくりに向けた取り組みの継続が期待されるなど、同事業関連の市場環境は良好に推移していくことが予想されます。

環境事業

国内外での環境意識の高まりに伴い、当社グループが提供する環境アセスメントや環境汚染防止・対策業務などに加え、脱炭素社会や資源循環型社会の形成に向けたサービスへの需要が高まっています。また、自然災害が増加する中、当社グループが優位に展開してきた災害廃棄物処理支援関連サービスも、引き続きニーズは堅調に推移していくと予想されます。

資源・エネルギー事業

世界的な脱炭素化の流れや2050年カーボンニュートラル実現にむけた国の政策等に伴い、当社グループが優位に展開している洋上風力発電関連支援サービスなど、再生可能エネルギーの普及拡大に向けた各種サービスへの需要がさらに高まっていくことが予想されます。また、政府の原子力政策の見直しに伴い、原子力発電所関連の地質調査などの需要も高まることが期待されます。

経営方針並びに対処すべき課題

当社グループは、こうした経営環境を踏まえ、2021年度から2023年度末までの中期経営計画OYO Advance 2023を策定し、遂行しております。

OYO Advance 2023 では、2020年度末まで遂行してきた前中期経営計画OYO Jump18において創出・成長してきた新しい市場や新技術の萌芽を当社グループの次の収益事業として確実に成長させるとともに、ESG経営、SDGs目標の達成に貢献する新たな価値創造プロセスにチャレンジしております。

  • 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。