健康経営

応用地質グループ健康経営宣言

当社グループでは、事業活動推進のためには、社員一人ひとりの労働時間の適切な運営やワークライフシナジーの実現に向けた取り組みが重要であると認識し、「応用地質グループ健康経営宣言」を制定し、社員の健康保持や健康増進に努めています。

健康経営宣言

健康経営推進体制

健康経営®の推進体制は下図の通りです。

健康経営責任者 (代表取締役副社長) を委員長とした、「健康経営推進委員会」を中心に応用地質グループ健康管理センターおよび事業所衛生委員会、国内グループ会社、国際グループ会社、健康保険組合と情報共有・連携し、健康推進活動の企画提案・実施を通してグループ社員の労務状況、健康状況を健康管理システム・アプリも活用しながらモニタリングしています。

取締役会や経営会議等において、健康経営上の課題や取り組みの進捗状況等を定期的に報告しています。

また、事業所衛生委員会や全社員アンケート、ヒアリング、労働組合との情報共有を通じて、従業員から報告・フィードバックできる体制も整備しています。

健康管理センター

当社は健康経営上の課題対応を迅速かつ効率的に進めるために、2023年4月に「応用地質グループ健康管理センター」を当社の神田本社内に設置しました。

同センターには専門的な知識を持った産業保健スタッフ2名が常勤しているほか、週に1日は統括産業医1名も出勤し、労働時間や健康状態などの情報を随時把握するとともに、社員やその家族の健康に関する相談などに適宜対応しています。

相談は、社員なら誰でもメールやチャット、Webを使って行うことができ、センターに赴いて直接面談することもできます。また、産業保健スタッフからも全社員に向けて、健康に関する有益なニュースやセミナーの配信も積極的に行っています。

健康管理センターの業務内容
  • 健康相談、メンタルヘルス相談、健康診断後の事後指導
  • 事業部・グループ会社へのサポート、企画、指導、助言
  • 休職者の休職中、復職時のサポート
  • 健康セミナーの開催、健康に関する情報発信
  • 健康経営の推進に向けた助言

健康経営戦略マップ

当社は2021年に健康経営宣言を表明し、経営理念に沿って「社業を通じて安全と安心を実現し、持続可能な社会へ貢献する」ために、次の2つの大きな課題解決に向けて、健康経営に取り組んでいます。

  1. 従業員が心身共にベストコンディションを維持し能力を発揮できる、生産性・活力向上を目指した組織づくり
  2. 企業の持続的成長に向けた多様な人材の確保・育成

健康経営の取り組みは、以下の「健康経営戦略マップ」をもとに、健康投資と健康投資効果を定量的に把握し、PDCAサイクルを回すことで効果的に進めています。

※ 経済産業省「健康投資管理会計ガイドライン」による「戦略マップ」使用
健康経営戦略マップ

従業員エンゲージメント

当社の持続的な成長を支えるのは、高度な専門知識と豊富な経験を持つ人材です。当社はサステナビリティ目標として従業員エンゲージメントスコアを設定し、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。

専門性の高い多彩な人材が活き活きと働ける環境づくりや動機づけを強化し、個々の能力を引き出すことが、顧客価値の創出や技術革新など、企業の成長を加速させ、持続的成長への正のスパイラルを生み出せると認識しています。

当社では、従業員エンゲージメントスコアやストレスチェック結果、離職率・労務データなどの定量データと、現場の声や健康管理センターの助言、社長と若手職員の意見交換会といった定性データを総合的に分析・活用し、組織課題の可視化と全社的な改善に取り組んでいます。そうした全社的な「大きな」サイクルに加え、各部署の課題に対し、それぞれが独自の取り組みを行う「小さな」サイクルも回し、その両輪で組織改善を推進しています。

エンゲージメントスコアの向上は一朝一夕で実現するものではないですが、中長期的視点をもって継続的に取り組み、より実効性のある施策を計画的かつ段階的に展開していきます。

従業員エンゲージメント向上を目指した組織改善プロセス

健康経営を進める上での課題と目標

健康経営を進めるにあたり、まずは4つの項目 (フィジカル、メンタル、労働生産性、エンゲージメント) に着目し、それぞれの課題について目標値を設定し、その目標達成を目指します。

毎年目標値の見直しを実施しており、役職員および協力会社に適用されます。

健康経営を進めるうえでの目標

項目 目標 2024年の実績
健康 (フィジカル) 毎年 健康診断受診率100%を維持する
  • 健康診断受診率100% (2025年3月末時点)
2026年 特定保健指導実施率30%※1を達成する
  • 特定保健指導実施率14.6% (2025年3月末時点)
健康 (メンタル) 2026年 高ストレス者割合10%以下※2を達成する
  • 高ストレス者割合12.0% (2025年3月末時点)
  • カウンセリングサービスの周知徹底
  • 産業医・健康管理センターとの連携強化
労働生産性 毎年 有給休暇取得率70%以上※3を達成する
  • 有給休暇取得率66.7% (2025年3月末時点)
毎年 長時間労働による産業医面談実施率100%を達成する
  • 2024年度対象者の産業医面談実施率94.8% (2025年3月末時点)
  • 長時間労働に該当する場合は、産業医面談のサイクルを徹底
エンゲージメント 2030年 ワークエンゲージメントスコア70ポイント※4を達成する
  • ワークエンゲージメントスコア65ポイント (2024年平均)
  1. 第3期 (2018～2023年度) 特定健康診査等実施計画期間における所属する保険者の種別目標
  2. 厚労省「ストレスチェック制度実施マニュアル (2021)」より
  3. 厚労省「過労死等防止対策白書 (2021)」より
  4. 株式会社アトラエが提供するエンゲージメント解析ツール「Wevox」に参加している企業の平均値

健康経営の取り組み成果

健康関連の最終的な目標と取り組み実績

目標値 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
健康診断受診率 100% 94.1% 100% 100% 100% 100%
特定保健指導実施率 30% 12.5% 8.2% 6.7% 8.8% 14.6%
高ストレス者割合 10%以下 10.5% 11.3% 13.3% 11.3% 12.0%
有給休暇取得率 70%以上 60.0% 65.2% 70.2% 73.8% 66.7%
長時間労働による産業医面談実施率 100% - 34.7% 69.0% 79.4% 94.8%
ワークエンゲージメントスコア※1 70点 64点
(回答率 88.2%)		 63点
(回答率 86.7%)		 64点
(回答率 85.8%)		 64点
(回答率 87.0%)		 65点
(回答率 86.7%)
  1. ワークエンゲージメントスコアの測定は、Wevoxによるエンゲージメント測定で行っています。
    2020年度 回答者数 914名/1,036名、2021年度 回答者数 941名/1,086名、2022年度 回答者数 942名/1,098名、2023年度 回答者数 969名/1,114名、2024年度 回答者数 989名/1,135名
健康診断受診率
特定保健指導実施率
高ストレス者割合
有給休暇取得率
長時間労働による産業医面談実施率
ワークエンゲージメントスコア

当社は、働き方改革の一環として、定期的な有給休暇の取得の呼びかけや柔軟な働き方を促進した結果、有給取得率が向上しました。

一方で、高ストレス者割合が増加していることから、産業保健機能 (長時間労働による産業医面談受診率の向上) やエンゲージメント向上活動 (ワークエンゲージメントスコアの向上) など、メンタルヘルスの健康投資に取り組んでいきます。

これまでの取り組み

健康 (フィジカル) に関する取り組み

当社では、各事業所の衛生委員会や健康管理センターと協力して、従業員の健康管理に取り組んでいます。

その一環として健康診断受診率100%を維持することを目指しています。

また、健康リスクの早期発見と予防に向け、健康診断、精密検査、特定保健指導などの一連の健診を年内に完了するように、健康診断の早期受診などの管理を行っています。

  • 健康管理センター関連の運用 (2024年度 投資額 約1,200万円)
  • 健康アプリの導入 (2024年度 投資額 約160万円)
  • 健康管理体制関連の費用 (2024年度 投資額 約940万円)
  • 健康経営セミナー (女性の健康、生活習慣病、喫煙など) の実施
  • 喫煙外来等への費用補助制度の導入
  • 部活動の奨励 (2024年度 投資額 約42万円)
当社健康管理センター

健康 (メンタル) に関する取り組み

当社では高ストレス者率が年々増加傾向にあることから、ストレスによる健康リスクを課題とし、現状分析を行っています。

その結果、若手職員がメンタル不調を抱えやすいことがわかり、2024年度から新入社員の全員に対して健康管理センターで面談を行っています。

面談では、健康に対する意識やストレスの原因について話し合い、適切にアドバイスを行っています。

  • メンタルヘルス相談窓口の設置
  • 復職プログラムの整備
  • ハラスメント、D&I教育の実施
  • 健康管理センターによる新入社員の面談実施率100%
  • 1on1の実施
パワーハラスメント講座

労働生産性に関する取り組み

当社では長年にわたり長時間労働の削減に取り組んでおり、平均所定外労働時間は年々減少しています。

毎月の健康経営推進委員会において労働時間の管理と報告を行い、働き方革命委員会によるタイムマネジメント研修や早帰りデーなどの施策を展開することによって時間意識の醸成に取り組んでいます。

  • 長時間労働に対する産業医面談
  • 全社ノー残業デーの実施
  • 時間単位の有給休暇制度の導入
  • 育児・介護と仕事の両立支援
育児・介護と仕事の両立についてマニュアルを作成

エンゲージメントに関する取り組み

当社では、株式会社アトラエが提供する、組織の課題を可視化するエンゲージメント解析ツール「Wevox」を2020年7月に全社員に導入し、積極的に組織のエンゲージメント向上に取り組んでいます。

2021年11月以降は、Wevoxの運営スタッフに指導を仰ぎ、約100あるチームの中からモデルチームを選抜し、まずはモデルチームのエンゲージメント向上に着手しています。更に、モデルチームのリーダーやその他希望者には、Wevoxが提供する「Engagement Run!」という有料のエンゲージメント向上アカデミーに加入してもらい、そこで得られた実践的な知見を社内で水平展開しています。

また、2022年9月より各部署ごとにエンゲージメント活動推進委員を選定し、活動の活性化を図っています。

  • エンゲージメントアンケートの導入
  • エンゲージメント表彰
  • 外部セミナーの受講

(エンゲージメントに関する取り組み全体 2024年度 投資額 約630万円)

WevoxによるEngagement Run!

当社のエンゲージメントの取り組みが、『わたしたちのエンゲージメント実践書』(株式会社アトラエWevoxチーム、田中 信・著) に紹介されました。

本書では、組織力向上プラットフォーム「Wevox」を利用する3,500を超える企業のエンゲージメント活動の実践知が集約されており、当社をはじめとする各企業がどのように組織力を高め、社員のエンゲージメントを向上させているかが具体的に示されています。当社の取り組みをぜひご覧ください。

PR TIMES：『わたしたちのエンゲージメント実践書』2025年3月発売決定！

健康投資施策の取り組み実績

2021年からは、従業員のパフォーマンスを測定するためにプレゼンティーイズムとアブセンティーイズムを集計し、組織の健康状態を把握することを目指しています。

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
精密検査受診率 79.3% 72.4% 63.0% 74.1% 92.2%
ストレスチェック受検率 81.0% 79.1% 80.2% 89.2% 87.0%
平均月間所定外労働時間 20.0時間 19.0時間 16.3時間 17.8時間 25.0時間
プレゼンティーイズム※1 - 77.1%
(回答率 78.2%)		 82.0%
(回答率 45.0%)		 85.0%
(回答率 58.5%)		 79.0%
(回答率 71.6%)
アブセンティーイズム※2 - 2.52日
(回答率 62.2%)		 3.2日
(回答率 45.0%)		 2.3日
(回答率 58.5%)		 0.27日
(回答率 71.6%)
新卒入社3年以内離職率※3 3.2% 10.9% 13.5% - -
  1. プレゼンティーイズムの測定は、SPQ (Single-Item Presenteeism Question 東大1項目版) で行っています。
    2021年度 回答者数 966名/1,235名、2022年度 回答者数 578名/1,285名、2023年度 回答者数 716名/1,223名、2024年度 回答者数 828名/1,156名
  2. アブセンティーイズムの集計は、従業員アンケートで行っています。
    2021年度 回答者数 675名/1,086名、2022年度 回答者数 578名/1,285名、2023年度 回答者数 716名/1,223名、2024年度 回答者数 828名/1,156名
  3. 新卒入社した従業員のうち、3年後までに離職した人数を基に、離職率を以下の計算式で算出しています。
    離職率 (%) = (離職者数 ÷ 新卒入社者数) × 100

従業員の意識変容・行動変容に関する実績

2023年より、従業員が個人の健康診断結果、歩数、食生活、労働時間、ストレスチェックなどのデータを一括で管理する健康管理アプリを導入しました。個人が自身の健康情報についていつでも確認できることで、個人データの見える化と健康意識の醸成を推進しています。

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
適正体重維持者率 59.2% 57.7% 58.4% 59.3% 62.6%
喫煙率 23.0% 21.3% 21.6% 20.9% 18.4%
運動習慣比率※1 21.4% 24.8% 24.4% 25.8% 26.4%
睡眠で十分な休養が取れている人の割合 62.7% 65.9% 66.2% 66.0% 66.4%
飲酒習慣者率※2 18.1% 15.6% 17.9% 16.8% 14.6%
血圧リスク者率※3 1.7% 0.8% 1.3% 0.9% 0.9%
血糖リスクと考えられる人の割合※4 0.5% 0.4% 0.3% 0.6% 0.2%
糖尿病管理不良者率※5 1.5% 1.3% 1.3% 1.4% 0.7%

集計対象は40歳以上になります。

  1. 1週間に2回、1回当たり30分以上の運動を実施している人の割合
  2. 頻度が時々または毎日かつ飲酒日の1日当たりの飲酒量が清酒換算で2合以上の人の割合
  3. 収縮期血圧180mmHg以上または拡張期血圧110mmHg以上の人の割合
  4. 空腹時血糖が200mg / dl以上の人の割合
  5. HbA1cが8.0%以上の人の割合

その他の雇用の状況についてのデータは、ESGデータの「S:社会関連」をご参照ください。

ESGデータ

トピックス

セミナーを通じたヘルスリテラシーの向上

当社ではセミナーの開催などを通して、ヘルスリテラシーの向上に取り組んでいます。

2022年度には「女性の健康」と「腰痛」等、従業員が抱える健康課題を中心にセミナーを行いました。2023年度は、従業員からリクエストが一番多かった「メンタルヘルス」をテーマにし、セルフケアの実践を目的とした講義を行いました。

これらの内容は録画し、全社員が視聴できるようにしています。この取り組みにより、従業員が自律的に行動変容を達成できるよう支援しています。

開催年 セミナー 参加者率 満足度
2023年 健康経営セミナー
メンタルヘルス セルフケア編		 27.2%
(対象者 約1,209名)		 92.3%
2022年 女性の健康 22.3%
(対象者 約1,211名)		 100%
腰痛の予防 69.8%
(対象者 1,219名)		 99.0%

サプライチェーンにおける健康経営の実践

当社では、取引先との共存共栄を目指すため、協力会社と健康増進施策を共同で実施しています。

具体的な活動内容として、業務内容に合わせた健康講話の実施や、当社作成の労働安全マニュアルの提供、健康管理センターによるサポート等があります。

これらの取り組みにより、サプライチェーン全体の健康管理や労働環境の改善に繋がることを目指します。

健康経営アライアンス

当社は「健康経営アライアンス」に、2023年8月18日より入会いたしました。

「健康経営アライアンス」は、新しい健康経営の普及と健康保険組合の健全化を目指し2023年6月に設立されました。

当社グループでは、事業活動推進のためには、社員一人ひとりの労働時間の適切な運営やワークライフシナジーの実現に向けた取り組みが重要であると認識し、「応用地質グループ健康経営宣言」を制定した上、社員の健康保持や健康増進に努めています。

本アライアンスの参画企業との交流やノウハウの共有をもとに、今後も当社の健康経営に関する取り組みを活性化させてまいります。

「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

社会