2024.04.15 会社情報

道路土工構造物点検および防災点検の効率化技術に公募したVIBRES®の実証結果について

中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社ならびに応用地質株式会社は、国土交通省が公募した「土工構造物点検及び防災点検の効率化技術」に活用できる技術として、共同開発した「振動を用いたグラウンドアンカー残存緊張力の非破壊推定方法」(VIBRES®システム) を応募・選定され、国土交通省九州地方整備局で実証実験を実施しておりました。

この度、国土交通省から現場における検証結果 (性能確認シート) が公開されましたので、検証結果に対するコメントを中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社と同時発表させていただきます。

はじめに、実証実験の対象となったグラウンドアンカー (SEEE F-UA型) は、VIBRES®システムでの検証実績が少ない規格のグラウンドアンカーでありましたが、VIBRES®システムの適用限界を模索する中で、アンカー種別の適用拡大を視野に入れ、今後に活用可能なデータの収集として実証実験に挑戦いたしました。

現場における8本のグラウンドアンカーの緊張力を測定した結果、VIBRES®システムにより測定した緊張力は、従来のリフトオフ試験により測定した緊張力と比較して、高い値となりました。

この原因として、VIBRES®システムはグラウンドアンカーのテンドン自由長部を弦とみなし、その振動周波数を測定して緊張力を求める技術であり、一方、対象としたグラウンドアンカー (SEEE F-UA型) は、

  1. 引張り材の鋼より線とその被覆材の隙間が狭い構造であること
  2. テンドン自由長が約20mと長いことなどが要因で、弦として振動する自由長部の動きが阻害された

と推察されます。今回の結果は、VIBRES®システムの適用性について把握する良い機会であったと認識しております。

これらの検証結果を今後に活かして、点検業務の更なる効率化を目指し、VIBRES®システムの精度向上、適用範囲の拡大に努めてまいります。

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