新技術による盛土調査の運用手法
AIや衛星画像を用いた効率的な盛土抽出・変動監視技術です。
基礎調査では、災害発生リスクが高い0次谷 (常時表流水がある谷の上部に位置する集水地形) のAI自動抽出、既存盛土の分布や安定性を損なう著しい変状の有無、地形条件や盛土等の形態などの安全性に関する情報を航空LP測量データから把握します。
さらに、衛星SAR画像解析により盛土の変動量を分析し、対策の緊急度の判断や対策工の検討へ反映します。
2021年7月に発生した静岡県熱海市での違法盛土に起因する土石流災害をきっかけに、同様の災害を起こす危険性のある盛土や、地震時に崩壊の恐れのある大規模盛土造成地に対する調査・対策が全国で進められています。本コーナーでは、AIや衛星画像を用いた規制区域の選定から、住民への適切な情報提供、IoTを用いた既設盛土のモニタリングまで、自治体を支援する各種技術を紹介します。
AIや衛星画像を用いた効率的な盛土抽出・変動監視技術です。
基礎調査では、災害発生リスクが高い0次谷 (常時表流水がある谷の上部に位置する集水地形) のAI自動抽出、既存盛土の分布や安定性を損なう著しい変状の有無、地形条件や盛土等の形態などの安全性に関する情報を航空LP測量データから把握します。
さらに、衛星SAR画像解析により盛土の変動量を分析し、対策の緊急度の判断や対策工の検討へ反映します。
既存盛土は、新旧の地形図や光学画像の比較により抽出されますが、地内の古い谷埋め盛土などは、植生の影響により判読が難しいケースが多くあります。
新旧地形図の標高値の差分解析や、光学画像による既存盛土の抽出技術、更に、航空LP測量によって得られる高解像度な標高データを用いることで高度な地形解析が可能となり、既存盛土の見逃しを防止します。
盛土のモニタリングとして、現地調査が困難な箇所でも変状の有無や進行性を確認する必要があります。
当社では、衛星SAR画像解析を用いて既存盛土や周辺の変動量を過去に遡って検出するサービスを提供しています。
特にSENTINEL衛星画像 (2014~2018年、一部地域は2022年) を用いた変動解析では、日本全土の変動解析を実施済みであり、これらの解析結果を利用して盛土のモニタリングを行うことができます。
3次元常時微動トモグラフィ技術による測定結果から、盛土の高さ・範囲を推定した上で、推定された断面形状から常時と地震時の安定計算を行い、当該盛土の安全性を評価します。
安全性の評価の結果、継続的なモニタリングが必要と判断された盛土に対しては、低コストで多点・面的監視が可能なハザードマッピングセンサ (傾斜センサ/クリノポール) による遠隔での経過観察を提案します。