応用地質株式会社応用地質株式会社共創Lab

被災後の復旧期間の観点から考える全国の半導体工場の地震リスクの一検討

2026.08.05

要旨

半導体は様々な分野の製品に使用されており、AIの今後の発展を考えるとその重要性は益々高まっていくことが考えらえる。また経済安全保障の観点からも半導体は重要視されており国内の供給網の強化が図られている。一方、国内の半導体工場は様々な地震で大きな被害を受け復旧に長期を要した事例もみられる。また、自動車製造業では半導体工場の被災により被災地外の工場で大きな生産調整を余儀なくされたケースも発生した。このような観点から、半導体工場の復旧期間の推定精度向上は、サプライチェーンを考慮した災害による経済被害推計を考える場合の重要な課題である。

本稿では、このような観点から、過去の地震で被災した半導体工場の復旧期間に関する公表資料を収集・整理し、半導体工場の稼働率に関するリカバリーカーブ (発災からの経過日数と復旧確率の関係) の推定結果を示した。加えて海溝型地震や主要活断層帯の地震が発生した場合に震度5強以上となった工場が稼働停止すると仮定した場合、推定したリカバリーカーブを使って稼働停止した全ての工場の復旧期間とその合計値を推定した。半導体工場の分布、想定されている海溝型地震や主要活断層帯の地震動分布に基づくと、南海トラフ、相模トラフ、日本海溝で発生する大規模な海溝型地震や中央構造線断層帯の全区間が連動する地震等で多くの半導体工場が被災し、完全復旧に長い時間を要することが推定された。本結果は日本の半導体工場の同時被災リスクを考える場合、どのような海溝型地震や主要活断層帯の地震に備えるべきかの一例を示している。

著者 清水 智
(応用地質株式会社 共創Lab)
山﨑 雅人
(応用地質株式会社 共創Lab)
井出 修
(応用地質株式会社 共創Lab)
発行年月 2026年8月
言語 日本語
ページ数 21
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