要旨

災害が経済被害に与えた影響を考える場合、都道府県単位の月次活動指数が必要となる。都道府県単位で公表されている月次指数に鉱工業生産指数があるが、建設業や第3次産業に関する活動指数は都道府県単位では公表されていない。これらの業種の月次活動指数があれば、災害が各業種の生産活動に与えた影響や経済被害推計モデルの妥当性検証に有用なデータとなる。

そこで、本研究では2010年1月以降の都道府県または地域単位かつ月次の統計データを収集・整理し、建設業や第3次産業に属する各業種の月次活動指数を都道府県単位で作成した。具体的には「建設業」「電気・ガス・水道業」「商業」「金融・保険」「不動産」「運輸・郵便業」「医療・福祉」「対個人サービス」の8業種の活動指数で、全47都道府県を対象に作成した。作成した月次活動指数は、大規模地震や新型コロナウィルス感染症拡大の時期、消費税増税等の経済イベント等による影響を受けた変動が見られることが確認できた。