未利用エネルギーの地産地消による脱炭素事業

本プロジェクトは、三笠市におけるゼロカーボンシティの実現に向けて、三笠市内の地域資源である木質バイオマスと石炭による CO2 フリー水素を活用し、脱炭素まちづくりを目指す取組みです。三笠市では、元々炭鉱町として栄えており、今なお未利用の石炭が賦存している地域であることから、 10年以上にわたり本事業の中心プロジェクトとなる石炭の地下ガス化(以下、 UCG)※の実現に向けて研究を行ってきました。実証レベルでは、ガスの製造に成功しています。今後は、これまでの研究成果を元に、新たに水素というキーワードを追加し、地域の雇用創出だけでなく、北海道全土の脱炭素化に向けて貢献する新たな産業として事業化したいと考えています。


※石炭を採炭して地上に取り出すことなく、地下の炭層にあるままでガス化する技術。具体的には、地下の炭層に坑井を掘削して原位置で石炭をガス化させ、一酸化炭素や水素、メタン等の生成ガスを回収する。回収したガスは発電等に活用する。

  • 提供:三笠市

本プロジェクトにおける応用地質の役割: CO2 の地下貯留(CCS)

地下ガス化事業では、同時に CO2 の発生もあることから、その対策として、下図のようなカーボンニュートラル施策を行います。

地域特性の一つである閉山炭鉱の採掘跡を有効活用して CO2 を地下に貯留、あるいは、UCGにより生じる空洞へ貯留を行う際、炭鉱跡ではガスの発生、地下水汚染などの問題が懸念されます。このため、これらの課題に対する対策も計画されています。応用地質では、 CO2 を安全に地下に貯留可能な地盤であるかを評価するため、地盤情報の整理や適地選定、そのための3次元地盤モデルの構築などの技術を提供しています。

  • 提供:三笠市
  • 応用地質はマイクロバブルにしたCO2製造のほか、地域住民への周知活動にも参画しています
  • 応用地質が作成した貯留槽を推定するための3次元モデル

その他の当社の再生可能エネルギー支援サービス

応用地質では、脱炭素に向けたその他の再生可能エネルギー開発にも積極的に支援サービスを展開しています。

運行管理システムT-MAS:物流管理の適正化で、低炭素なまちづくりを支援

応用地質グループの株式会社ケー・シー・エスでは、得意とする地域計画や交通ビッグデータ管理の技術とノウハウを活かし、車両運行や安全管理・物流状況を一括管理して低炭素なまちづくりを支援する「運行管理システムT-MAS」を提供しています。

T-MASは運搬車両の荷積みから荷下ろしまでの個数管理や安全管理、狭い道路での車両同士のすれ違いができないことによる渋滞回避などの機能を有し、物流の効率化により温室効果ガスの発生を抑制することで低炭素なまちづくりを支援します。