要旨

気候変動対策およびエネルギー安全保障の観点から、再生可能エネルギー発電の普及が世界的に進んでいる。日本では東日本大震災における原子力発電の事故を経て、再生可能エネルギー発電の普及促進がエネルギー政策の最重要課題となっている。特に洋上風力発電に関しては、大規模導入と低コスト化が期待でき、経済波及効果も大きいとされ、今後政府主導の積極的な導入施策が実施される見込みである。本稿は洋上風力発電の大規模導入が期待される秋田県秋田市を対象に、発電事業が地域経済にもたらす経済波及効果を産業連関分析で定量的に評価する。最後に洋上風力発電によって地域経済が恩恵を受ける上での課題について考察を行う。