建設・まちづくり分野20230403

3次元常時微動トモグラフィ

最新の物理探査技術で地盤構造を立体機的に可視化。地下掘削工事における予期せぬ事故やコストの増大を抑止します。

概要

3次元常時微動トモグラフィとは交通や経済活動によって生じる微弱な振動を測定し、地盤内部の伝播特性から地質構造を推定する物理探査手法です。弊社グループで開発したケーブルレス / GPS機能付きの収録器を地表に多数配置することで、3次元での地質構造把握が可能になります。

特長

適用例1. 建築基礎支持層調査

図1. 地盤の3次元S波速度構造
図2. 推定岩盤深度分布 (支持層深度分布)

3次元常時微動トモグラフィは、地盤の支持層の平面的な深度分布を連続的に可視化します。上図は建築プロジェクトにおける支持層のS波速度構造 (図1) と、ボーリング調査によるキャリブレーションを加えて作成した推定岩盤深度分布 (図2) です。

支持層分布を面的に可視化することで、杭施工のコスト増大や工期遅延を抑制するとともに、ボーリング調査の本数を大幅に削減し、プロジェクト全体の効率化に貢献します。

⇒支持層の面的な可視化で手戻りを抑制し、効率的な施工を実現。受発注者間のリスクコミュニケーションを円滑化

適用例2. 道路事業でのBIM / CIM適用

図3. 3次元常時微動トモグラフィの探査結果 (鳥瞰図) 沖積層下端面を表したもの
図4. 沖積層下端面の標高コンタ
図5. 現地状況と調査範囲
図6. 測定状況

上図は国道事業における当該技術の適用事例です。現地の地形状況から埋没谷などの複雑な埋没地形が推定されたため、ボーリング調査に加えて3次元常時微動トモグラフィを実施。限られた本数のボーリング調査のみでは把握が困難な沖積層の複雑な分布や深度を可視化するとともに、ここから信頼性の高いBIM / CIM地質モデルを構築することで、地盤改良工事のコスト低減にも貢献しました。

実測値に基づく3次元地質モデルは、地質リスクの抽出や最適な地質調査地点の選定に活用が可能なほか、BIM / CIMに統合することでその後の施工プロセスにおけるリスクコミュニケーションの円滑化や地域住民への説明資料としても有効なツールとなります。

⇒施工リスクを低減し、地盤改良コストの増大を抑制するとともに、道路事業の円滑な進捗をサポート

従来調査方法とのコスト比較

実績

年度 契約先 業務件名 業務概要、目的 TECRIS
2018 国土交通省
関東地方整備局
常総国道事務所
牛久土浦BP地質調査業務30K7 道路・橋梁設計に伴う地質調査およびBIM / CIM地質モデルの構築 4034682789
2019 西日本高速道路株式会社
関西支社 新名神京都事務所
新名神高速道路 宇治田原インターチェンジ土質調査 インターチェンジ建設に伴う地質調査 (軟弱地盤の分布範囲の推定等) 4037279304
A建設会社 発電所3 次元微動アレイ探査 (仮称) 建屋建設に伴う地質調査 (支持層の面的分布の把握)
B建設会社 倉庫新築のための微動探査 (仮称) 建屋建設に伴う地質調査 (支持層の面的分布の把握)
建設コンサルタント 空港施設耐震性照査 (仮称) 地盤改良設計に先立つ軟弱層の分布・深度の調査
2020 建築設計会社 新工場建設計画に伴う探査 (仮称) 新工場建設に伴う地質調査 (支持層の面的分布の把握)
国土交通省
中国地方整備局
福山河川国道事務所
令和2年度福山道路地質リスク検討業務 道路計画における地質リスクの検討 (軟弱地盤の層厚や基盤深度を面的に把握) (現在業務実施中) 4041287650
C建設会社 シールドトンネル工事に伴う探査 (仮称) シールドトンネル工事に伴う地質調査 (地盤状況 (ゆるみ等) の把握) (現在業務実施中)
2021 D建設会社 新工場建設計画に伴う探査 (仮称) 新工場建設に伴う地質調査 (支持層の面的分布の把握) (現在業務実施中)

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