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地震/地震動
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地震/地震動2000年10月6日午後1:30頃、鳥取県西部を震源とする地震が発生した。地震の規模をあらわすマグニチュードは、当初気象庁よりMj=7.1と発表されたが、すぐに上方修正されMj=7.3(但し、10/13現在の暫定値)とされた。気象庁はこの地震を「平成12年(2000年)鳥取県西部地震」と命名した。気象庁の速報震源の諸元は以下の通りである。
この地震による気象庁発表の各地の震度は、鳥取県境港市および鳥取県日野町で震度6強、鳥取県西伯町および溝口町で震度6弱、島根県米子市や岡山県新見市などで震度5強となっており、中国地方の広い範囲で強い揺れを観測している。気象庁における震度の測定が平成8年4月に計測震度計によるものに移行して以降、震度6強が観測されたのは今回が初めてである。 本震の発震機構はほぼ東西方向に圧縮軸のある横ずれ断層であり、余震の分布が北西-南東方向に並ぶことから、左横ずれ断層であると考えられる。 地震発生後比較的早い段階で東京大学地震研究所から遠地の広帯域観測記録を用いた震源インバージョン結果、その後遠地記録と近地の強震計記録を用いた震源インパージョン結果が発表された(Yagi & Kikuchi(2000)5))。このほかにも多くの機関から震源解が公表されている。これらの結果を以下にまとめる。
1) 気象庁 http://www.kishou.go.jp/ Yagi & Kikuchi(2000)によると主要な破壊を生じた領域(断層面)は、長さ20km、幅10kmである。走向はN150°E、傾斜87°、すべり角1°であり、ほぼ純粋な左横ずれ断層となっている。破壊は断層のほぼ中央の下部に位置する震源から始まり、断層上面に向かって進んだ後、南北に分かれて進行したと推定されている。最も大きく断層がすべった領域は、断層中央よりやや南側の深さ3〜9kmの範囲であり、断層の破壊は全体で約9秒間続いたと考えられている。断層運動の大きさを表す指標である地震モーメントは1.1×10^19Nm(モーメントマグニチュードMw6.6)であり、この値は兵庫県南部地震の1/2〜1/3である。 兵庫県南部地震以降、全国で急速に整備された地震計ネットワークによる観測記録がインターネット上で公開されており、鳥取県西部地震の波形記録も地震発生後数時間で入手可能となった。ここでは、公開されている波形記録のうち、防災科学技術研究所により運営されているK-net(強震観測網、http://www.k-net.bosai.go.jp)、およびKiK-net(基盤強震観測網、http://www.kik.bosai.go.jp/kik)のデータをもとに最大加速度分布を作成した。 ![]() これによると、最大値を観測した地点は日野町(KiK-net)で926gal(NS成分)となっている。この他にも断層面から20〜30km以内の観測点では300gal以上の大きな加速度が観測されていることがわかる。また、震源よりも南側で相対的に大きな加速度となっているが、これは、断層面のやや南側で大きなエネルギーが放出されたことと調和的である。 次に、これらの波形記録から計測震度の算出法に従って震度を算出した。 ![]() この結果によると、震源近傍では日野町で計測震度相当の値が6.6(参考値)となり、震度階級にすると震度7相当である。他の観測点での震度は5.6、5.8となっており、震度階級では震度6弱相当となっている。 |
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