台湾の活断層

台湾は、その東縁にユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界が位置する、地震活動が活発な地域である。台湾にはこのプレート境界と平行に多くの活断層が存在しており、台湾中央地質調査所発行の「台湾活動断層概論」(1997)には、51本の活断層が記載されている。今回の地震では、震源との位置関係や、地表に現れた断層から、大芽埔−雙冬(Damaopu-Shuangdung)断層と車籠埔(Cherungpu)断層が同時に動いたとされている。これらはいずれもNNE-SSWの走向を持ち、10kmの間隔をあけて平行に存在するとされている。

 

活断層分布

 

下の図は、大芽埔−雙冬断層(図中では雙冬−哮豸苗断層と書かれている)と車籠埔断層を含む東西地質断面を示している。南北に走る断層はフィリピン海プレートの押しによって加わっている東西圧縮によって生じた東上がりの逆断層であり、断層が地表に現れた場合はその地変は東側の地盤が西側に覆い被さるようになる。

 

断層

 

 

台湾國立中央大學地球物理研究所のホームページに記載されている王乾盈教授の調査結果によると、集集地震での車籠埔断層(とその延長)の実際に動いた区間は、南端が雲林県桶頭付近で、ここからほぼ北に進み、竹山、南投、霧峰を通り、豊原付近で東に向きを変えて石岡、卓蘭の南を抜けて、東勢の北東で大芽埔−雙冬断層にぶつかるまでの約80kmとしている。また、大芽埔−雙冬断層については集集から東勢の北東までであるが、両端での地表の痕跡はわずかでありほとんどの区間が山中にあるので見つかっていないかあるいは地表まで到達していない可能性を指摘している。

今回の調査で観察できた地表地震断層を下図に示した。とびとびにではあるが、南は草屯(Tsautuen)から北は石岡(Shrgang)まで、約40kmの断層を確認した。いずれの地点でも断層は東側隆起の逆断層であり、横ずれはほとんど観察されず、上下方向の変位は1.5〜4mだった。この確認された断層は推定された車籠埔断層の位置とほぼ一致していたが、北端部の石岡付近では確認された地表断層は東へと走向が変化しており、新しい断層の出現となっている。図に示すように、車籠埔断層は、新第三紀鮮新世の地層からなる標高300〜500mの丘陵部と、標高100〜200mの沖積平野の境をなしており、過去繰り返し活動をしていることが推測される。
また、豊原、台中、南投などの都市は沖積平野に位置しており、山間部で被害が大きかった埔里、中寮、東勢などの都市も盆地あるいは谷底平野の沖積地盤上に立地している。

 

断層2

 

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