地震の概要

地震の概要 1999年9月21日午前1時47分(現地時間)に、台湾中部を震源とする大規模な被害地震が発生した。この地震は、現地では震源地付近の地名を取り、「921集集(chichi)大地震」と呼ばれている。台湾中央気象台(CWB)およびアメリカ地質調査所(USGS)によると、震源の諸元は以下の通りである。

機関
震央
深さ
マグニチュード
台湾中央気象局(CWB) 23.85°N, 120.78°E
1.1km
ML 7.3
アメリカ地質調査所(USGS) 23.78°N, 121.09°E
5km
Ms 7.7

地震発生後すぐに、USGS、東京大学地震研究所などから震源解析結果が発表された。地震観測波形を使った東京大学菊地教授らの解析によると、地震を発生させた断層は東西圧縮の逆断層で、断層面は東傾斜(東側が西側の上に乗り上げる)としている。断層の向きは北北東−南南西(北から時計回りに26°)の方向で、断層の傾斜角は27°の低角断層である。また、断層の長さは80kmで、破壊運動は28秒間続いた。破壊は断層面の中央からやや南寄りの震源から主に北に向かって進行したものと推定されている。地震のエネルギーを示す地震モーメントは1995年兵庫県南部地震の約10倍で、8/17に発生したトルココジャエリ(kocaeli)地震の1.3倍である。

台湾は、非常に稠密な強震観測網を整備しており、日本やカリフォルニアの面積の8%の国土に1,000台以上のデジタル強震計を設置している。下図に示したものは、インターネット上で公表された観測最大加速度、震度分布である。水平最大加速度は、震源から約10kmの南投(Nantou)で観測された約1gである。この加速度は、兵庫県南部地震の際に神戸で観測された0.83gよりも大きく、コジャエリ地震の際の最大加速度0.41gの倍以上の強烈な加速度である。加速度の距離減衰の様子は、一般的に用いられることが多いJoyner & Boore(1981)、Fukushima & Tanaka(1991)の距離減衰式と比べ、震源に近い地点ではやや大きい。ただし、距離減衰式の「距離」は断層面からの距離であるのに対して観測加速度の「距離」は震央距離なので、震源断層モデルがわかれば、観測点のプロットは全体的にグラフ上で左にずれることになる。
台湾の震度階は、日本の震度階から震度7を取り除いたもの(ただし、震度5、6は強弱に分かれていない)と同じである。台湾での震度は日本と同じように中央気象局から発表されており、南投県の名間(南投市の南方)と観光名所の日月潭および台中県の台中市で震度6が報告されている。首都の台北市では震度4だった。
観測波形のデジタル記録はまだ公表されていないが、国立地震工学研究センター(NCREE: National Center for Research on Earthquake Engineering)の解析によると、震源付近での観測記録の応答スペクトルは、0.25秒(4Hz)付近に卓越周期を持つ。これは、コジャエリ地震の波が非常に長い卓越周期を持っていたのと大きく異なっている。

加速度分布

 

距離減衰

 

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