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地球環境事業分野

自然環境への理解を深め、人と自然の共生を目指す

地球環境事業部 自然環境部

2009年入社
農学研究科 資源生命科学専攻 修了

松村 美穂

Miho Matsumura

大自然を自らの足で歩き、調査する

ダムや工場の建設、レジャー施設の開発など、私たちの暮らしをより豊かなものにするため、環境に配慮しながら、さまざまな事業開発が行われています。人と自然の共生。このテーマを実現するためには、自然環境や生態系に関する深い知見が必要です。私たち生態環境担当は、生物調査や環境アセスメント(※1)などの現地調査や分析・評価を行い、私たちの行動が自然にどのような影響を与えているのかを明らかにするという側面から、人と自然の共生に貢献しています。

私が担当しているのは、主に生物調査です。公的機関からの依頼が多く、動植物の分布や生息・植生状況を把握する基本的な調査から、生物の繁殖状況や猛禽類の飛行経路などの生態を特定する専門的な調査を行っています。有識者や周辺地域の住民へのヒアリング、文献調査なども行いますが、現地へ足を運ぶことが最も重要かつ不可欠です。

2012年春、林道工事による生活環境への調査を、ある公的機関から依頼されました。事前にタカの生息しているエリアであることが判明していたため、生態調査を1年間実施。四季折々、自然はさまざまな顔を見せるため、基本的に生態調査は1年間かけて行っています。実際の調査は、定期的に1日8時間の定点観察を行い、個体数、行動、観察時間、雌雄、年齢、個体の特徴などを記録し、巣の位置や繁殖の有無を特定しました。現場では、双眼鏡でタカを追いながら、証拠としてカメラでその姿を撮影するという地道な調査。慣れるまでには相当な時間がかかりました。調査の結果、依頼主にはタカの繁殖期である4〜8月には、工事の中断を要請すべきであるという報告書を提出しました。

現在の仕事は社内半分、現場半分といった具合です。あるときは虫取り網を手に、山の中を駆け回って昆虫採集し、またあるときはヒグマの出没する地域に自生するケショウヤナギ(※2)など植物の生態調査を行います。ヒグマ対策のため、地元ハンターに同行してもらったときは、かなりの緊張感で、実際に移動中の車内でヒグマを見かけたときは、背筋がぞっとしました。

※1環境アセスメント:大規模開発事業などによる環境への影響の事前調査のこと。

※2ケショウヤナギ:ヒグマの生息する北海道の日高・十勝地方などに自生している。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種Ⅱ類に指定。

地球規模の環境問題に取り組む

「地球のお医者さん」と例えられる応用地質。地盤の特性を調査し、その結果を元に、安全で環境に優しい建物をつくるための処方箋を書いています。しかし「沙漠緑化」や「生物多様性の保全」など、地球が抱えている環境問題について、当社が取り組むべきことは数多くあります。今後、地盤調査と生物調査の双方の技術を生かし、これらの問題にアプローチしていきます。その取り組みの第一歩としてあげられるのが、物理探査の技術を樹木調査に生かした「Tree Radar」という機械の導入です。これまでの調査方法では、樹木を傷つけ、傷口からきのこが生え、樹木の主要成分を分解・腐朽させてしまうなどの恐れがありましたが、「Tree Radar」の導入により、樹木を傷つけずに、内部の腐朽や空洞の状況を調査することができるようになりました。

私は人と自然の共生を目指す環境分野事業を、応用地質のさらなる成長を支える中軸とすべく、他部署との連携を図りながら、新たなことに挑戦していきたいと考えています。