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生き方の多様化が叫ばれる時代。
“老舗企業”だからこそ、
先んじて変化をしなければならない

浦安市液状化対策工事 集合写真

地球環境事業部

自然環境部

梶野 健


人事企画室

WLB担当

津野 洋美


地球環境事業部

自然環境部

部長 石澤 伸彰


すべての社員が活躍できる会社になるために

2015年、応用地質ではワークライフバランス推進の一環として「ワークライフバランス向上委員会」と呼ばれる組織が発足した。出産・育児休暇という、主に女性を対象とした制度の拡充にとどまらず、介護や通院、社会貢献活動など、社員それぞれの生き方に合わせた多様な働き方を支援するための取り組みである。
「もともとは、2013年に発足した女性職員キャリア委員会がきっかけでした」
そう語るのは、WLB向上委員会メンバーとして活動する津野だ。津野は、人事という立場から、WLBにかかわるさまざまな施策の検討と実施を行っている。
「女性技術者が、結婚や出産などのライフイベントを経ても、キャリアを継続できる環境を整えるというのが、女性職員キャリア委員会の目的でした」(津野)
しかし、委員会の活動を進めるにつれて、「女性だから」や「女性のために」という観点で会社の仕組みが変わっていくことを、女性社員たちは必ずしも良しとしていないということに気がついたという。

津野と同様、WLB向上委員会のメンバーとして活動する梶野は、同委員会発足の背景をこう語る。
「女性キャリア委員会の取り組み自体は、働き方改革の一環として意味のあるものだと思っています。しかし、私も含め、男性社員にその取り組みが浸透しにくいのは事実ですし、女性社員も“特別扱い”に違和感を抱いている。そんな状況の中で、果たしてその取り組みを会社に根付かせることができるのだろうか? それならば、男女にかかわらず、全社員がそれぞれの生き方に合わせた働き方ができるように環境を変えて行くべきではないか、と。そういった背景もあり、平成27年から一年間の任期で、WLB向上委員会が発足しました」
“WLB=女性のための施策”という、画一的な認識からの脱却。その点が、応用地質のWLBに対する考え方を特徴づけていると言えるだろう。

生産性の向上なしに、WLBは成立しない

もう一つ、WLBという言葉が孕む誤解についても触れておきたい。そう切り出したのは自然環境部長の石澤だ。
「一般的に、“WLB”と聞くと『無理をせず、ゆとりのある働き方をする』というイメージを持つ方もいると思います。しかし、私たちは民間企業ですから、収益をあげて事業を発展させ、そして社会に貢献していくという使命を負っている。“WLB”とは、成果をあげることを前提として、生産性をいかに向上させて働くか、ということが本質なのです」
応用地質ではWLBの一環として、2016年4月より、所定労働時間を8時間から7時間へ短縮した。しかし、それは業務の生産性を高め、8時間分の業務を7時間に圧縮する必要があるということを意味している。労働時間が短くなり、プライベートに割ける時間が増えた一方、業務に求められる密度は高い。
「生産性を向上させて、一方で品質も向上させる。しかも従来より短い時間内で。これは容易なことではありません」(石澤)

石澤と梶野が所属する地球環境事業部自然環境部では、既に生産性向上に向けた取り組みが浸透しつつあるという。『朝メール・夜メール』と部内で呼ばれている仕組みで、一日のタスクの明確化と、その達成率を管理。未完の項目があれば、「なぜ達成できなかったのか」という課題の洗い出しを行っている。また、各々の業務に集中的に取り組む『集中タイム』という時間を設け、その時間での会議や打ち合わせを無くした。そうすることで、自ずと集中タイム前に打ち合わせが済ませられるよう、各人が効率的なスケジュールを組み立てるようになったという。
「社内でも、自然環境部ほど積極的に働き方改善に対する取り組みをしている部署は珍しいと思います。こういった自主的な取り組みが社内にもっと増えていけば良いですね。1分を『たかが1分』と思う人もいれば、『重要な1分』と思う人もいる。たとえば、たった1分でも会社を出るのが遅れたら、定時に保育園に子どもを迎えに行くことができなくなってしまうなど、私も子育てをしながら働いているのでよくわかります。それぞれの時間に対する感覚を統一することはできないので、組織として音頭を取って効率化に取り組まなければなりません」(津野)
さまざまな人とともに仕事をするからこそ、WLBは一人では実現できない、と石澤も言う。「働き方改革」を会社として推進する意味は大きい。

「会社に貢献したい」という
社員の思いに応えることのできる環境づくり

また、津野によればWLBには、「選択の幅」という側面も大きいという。
「子どもができても、仕事を続けるのは今や当たり前の選択肢の一つですよね。しかし、子育てに注力するために仕事を辞めたり、または働き方を変えたりしても良い。もちろん、これまでと変わらずにバリバリと仕事をしても良い。どんな選択をするかはその方次第なので、いずれの選択をしても受け入れる余地のある会社にならなければならないと考えています」(津野)
休業制度や時短制度など、働きやすさを支援する各種制度は整っている。あとは、それを実際に利用するための風土づくりだ。津野と梶野はともに育児休暇を取得した経験を持つが、男性社員として、応用地質で初めて同制度を利用した梶野は、制度の利用に関してどのように感じているのだろうか。
「最初の子どもが生まれたとき、7ヶ月間という長い期間育児休暇を取得しました。家庭のことを考えて、私としてはベストな選択ができたと思っていますが、当時の上司は『今後のキャリアアップに影響はないか』と心配してくれていたようです」(梶野)

前例がないからこその不安は、このように本人のみならず周囲にも影響しかねないものだ、と言う。それについては、石澤も同意見のようだ。
「確かに、育児休暇に限らず、時短勤務制度を例に挙げても、異なる時間軸で働く社員のことを、周囲がどう感じるのか。特に当社は裁量労働制を採用しているので、WLBとのアンバランスが生じていることは事実です。社員の意識も含めて、その点の課題は乗り越えていかなければならない」(石澤)
「私自身は、休業するにあたって総務の方に大変親身になって相談に乗ってもらえたので、休業と復帰に関しては特に大きな不安を抱くことも無かったのですが。しかし、私という前例が居ても、男性の長期の育児休暇取得の実績が伸びていないこともまた事実です。やはり、制度を整えるだけでなく、それを全ての社員が活用するのが当たり前、という風土づくりは、おざなりにしてはいけません」(梶野)

WLB向上委員会のメンバーとしても、制度の活用者としても、まだまだ組織の働き方改革について、思うところは大きい。改めて、今後応用地質が目指すべき方向とはどのようなものなのだろうか。
「『こんな働き方ができれば、もっと会社に貢献できるのに』と思っている社員って、実は多いのだと思います。制度の拡充や環境づくりも含め、そんな社員たちの思いに応えられる会社となれれば、と思います」(津野)
「そう。そのために、社員のカルチャーも変わっていかなければなりません。WLBが『一部の人達のための特別な取り組み』ではなく、自分自身に直接関係のあるものだという意識を持たなければ」(梶野)
「私は世代的にも、ほぼ子育てにかかわらずに仕事一筋で来てしまいました。二度と取り戻すことのできない子どもとのかけがえのない時間を、多くの社員が大切にできるようになれば良いな、と思っています。もちろん、それは子育てに限ったことではなく、それぞれが人生の大切な時間を過ごせる働き方ができる会社にしていきたいと考えています」(石澤)
テレワークや在宅勤務制度など、今後検討している制度の拡充は豊富だ。WLB向上委員会メンバーのみならず、会社全体をあげて取り組むべき課題はまだまだ多い。
個を犠牲にしてでも組織の発展に尽くす。そんな考え方が美徳とされていた時代は、もはや過ぎ去った。仕事や働き方に対する考え方が多様化しているこの過渡期に、応用地質はどのように変化していくのか。「60年を超える老舗」と言われる会社だからこそ、その変化に寄せられる期待は大きいだろう。